皮膚へアプローチすることは、福井勉さんが書かれている「皮膚運動学」という書籍ではじめて知りました。
ここで様々な法則が紹介されています。
股関節外転時に皮膚は、膝関節方面と脊柱方面へと移動する。(図①参照)

アプローチとして、股関節から離すように皮膚を刺激すると外転が促通され(可動域が増大)、近づくように皮膚を刺激すると抑制される。(可動域が減少)
初めて読んだときは、理解できませんでした。
自分の感覚だと、皮膚は膝関節方面と脊柱方面ではなく、股関節へ向かう感じがします(図②参照)

さらに現場では、書籍通りの方向へ皮膚を誘導してもうまくいかない時がありました。
皮膚と皮下組織、筋膜の関係を知ってから理解が進み、整理できました。
皮膚靭帯が正常な状態であれば、皮膚と筋膜が逆に動くことで可動域が増大します。
さらに滑走障害は以下の3つが要因
①皮膚靭帯は緩んでいるが、皮膚の伸張性が低下しているため滑走障害が生じる。
②浮腫により、皮膚靭帯の緊張が高まり、滑走障害が生じる。
③皮膚靭帯もしくは皮下組織に癒着が起こり、滑走障害が生じる。
福井勉さんが提唱しているアプローチで改善できるのは、③の状態です。
①の場合は、皮膚の伸張性をだす必要があるため、股関節から離すアプローチではなく、股関節に近づける方向へ皮膚を誘導し、遊びをだします。
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まとめ
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皮膚の伸張性を出したいのか?皮膚靭帯もしくは皮下組織の癒着を改善したいのか?によって、皮膚を動かす方向がかわる。