前回の投稿では、皮膚へのアプローチとして
「皮膚の伸張性を出したいのか?皮膚靭帯もしくは皮下組織の癒着を改善したいのか?によって、皮膚を動かす方向がかわる。」
というお話をしました。
皮下組織の癒着を改善したい場合、具体的なアプローチ方法を見ていきます。
復習ですが、身体の構造を大まかに分類をしていくと、皮膚、皮下組織、筋膜・骨膜の3層構造となっています。
皮膚靭帯もしくは皮下組織の可動性を出したい場合、筋膜・骨膜を固定し皮膚を誘導します。
筋膜・骨膜を固定しないで皮膚を移動すると、すべての組織が同じ方向へ誘導されてしまうので、可動性をだすことができません。
筋膜・骨膜を固定するには、その部位の筋肉がストレッチされるポジションをとります。
例えば、太ももの内側の皮膚靭帯・皮下組織をアプローチする場合、股関節を軽度屈曲・外転位にします。(薄筋のストレッチポジション)
そのポジションを維持したまま、皮膚を上下・左右に誘導します。
皮膚を誘導する際は、軽い圧迫で行います。
圧迫が強いと、すべての組織が潰れてしまい、滑走が出づらくなります。
①薄筋を弛緩させたポジションで皮膚を誘導
②薄筋を緊張させたポジションで皮膚を誘導
①と②を比較すると、皮膚の伸張性がないのか?滑走性がないのか?を判別することができます。