リリース①〜③では
①皮膚の伸張性を出すのか?
②皮膚靭帯もしくは皮下組織との滑走をだすのか?
についてお話をしてきました。
今回は、筋膜・筋肉のリリース方を整理していきます。
セミナーでもご紹介していますが、筋のリリース法としては以下の3つ
①筋硬度(垂直方向)
②筋緊張(収縮・弛緩)
③筋スティッフネス(長軸方向)
さらに、複数の筋肉という視点で見ると
④筋の癒着(縦・横)
があります。
①は、マッサージなど垂直方向へ圧をかけるアプローチです。
②は、他動的に収縮・弛緩を誘導する。または、抵抗運動を用いて弛緩させるアプローチです。
例①
収縮・弛緩、肩甲胸郭関節の場合。
横臥位にて、トレーナーが他動的に肩甲骨の挙上と下制を繰り返す。
例②
抵抗運動、肩甲胸郭関節の下制を出したい場合。
□アイソメトリクス(下制をだしたい)
・横臥位にて、肩甲骨を最大限に下制させる。
・そのポジションで挙上動作にたいして3秒間抵抗をかけます。(この時の抵抗は、アイソメトリクス)
・3秒間抵抗をかけたら、クライアントに力を抜いてもらうと、最初より下制が行くようになるので、さらに下制させたポジションで抵抗を運動します。→これを繰り返して3セットほど行います。
アイソメトリクスの抵抗運動は、弛緩が目的です。
□コンセントリック(下制をだしたい)
・アイソメトリクスの抵抗運動をおこなったら、次にコンセントリックの抵抗運動を行います。
・横臥位にて、肩甲骨を最大限に挙上させる。
・そのポジションから抵抗をかけて、下制の動作を行います。
・最大限まで下制したら、トレーナーが最大挙上位まで誘導し、下制の抵抗運動を10回ほど繰り返します。
コンセントリックの抵抗運動は、促通が目的です。
③は、ストレッチなど長軸方向へ伸張させます。
ストレッチは、筋肉全体を伸ばす・近位・遠位を分けて伸ばす。
→目的によりポジションを変える
例:ハムストリングスを伸ばしたい場合
遠位→膝関節を完全伸展させた状態で、股関節を屈曲させていく
近位:股関節を完全屈曲させた状態で、膝関節を伸展させていく
全体:膝関節を適度に屈曲させた状態で、股関節を屈曲させていく
④は、隣り合う筋肉が癒着している箇所に指を入れる、もしくは持ち上げて引き剥がすことで癒着をとっていきます。
例:縦
大腿直筋と中間広筋の関係。大腿直筋と中間広筋の間に指を入れるのは難しいので、大腿直筋をつまんで、上に引き離すイメージ
例:横
大腿二頭筋・半膜様筋の関係。
大腿二頭筋と半膜様筋を探す。境目を見つけたら、筋繊維に沿うように指を境目に入れていく。(軽く圧をかける)
圧をかけた状態で、上下に指をスライドさせる。境目を広げるイメージ。
位置をずらして、リリースを繰り返す。
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まとめ
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筋を弛緩させるという目的に対して、どの硬さを改善させるのか?によってアプローチ方法の選択は変わってきます。
筋膜・筋肉は大枠でいうとリリース方法を同じだと思っています。
組織が重なっているのか?隣り合っているのか?構造をイメージし、リリース方法を使い分けましょう。
*文章だとイメージしづらい方もいると思いますので、いずれ動画を撮影し、公開いたします。