前回、エビデンスには精度があるというお話をしました。
今回は、1つ1つ解説をしていきます。
*数字が大きいほど、精度が低い
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①複数の研究の総合的レビュー(メタアナリシス・系統的レビュー)
②無作為に割りつけた研究(ランダム化比較実験)
③前後比較・準実験(対照群のあるもの)・観察研究
④事例やケース
⑤専門家個人の意見・動物実験・試験管での研究
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⑤専門家個人の意見・動物実験・試験管での研究
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□専門家個人の意見
・エビデンスですらない
□○○委員会の報告
・権威のある人や組織だからといって、きちんとしたデータや研究に基づいているとはかぎらない
□動物実験の結果
・人間でも全く同じ結果になるとは限らない
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④事例やケース
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□調べる対象が人間
・動物よりは信頼ができるが、対象が1人・数人の研究を多くの人に当てはめることはできない
□テレビで見る個人の感想です
・これは事例すら入らない
誰が、どういう状況で、どういう人について調べて報告したのか?
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③前後比較・準実験(対照群のあるもの)・観察研究
②無作為に割りつけた研究(ランダム化比較実験)
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②と③の違いは研究の方法です。
1つのグループの前後比較なのか、2つのグループを比較したのか、それ以上のグループを無作為に比較したのか、研究のやり方により精度がかわります。
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①複数の研究の総合的レビュー(メタアナリシス・系統的レビュー)
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①の研究は、③の前後比較・準実験(対照群のあるもの)・観察研究、②の無作為に割りつけた研究(ランダム化比較実験)の結果をまとめ、分析したものとなります。
あるテーマに関する世界中の様々な研究結果を統合し、総合的に分析します。
ある程度のレベルの研究結果を積み重ね、それを専門家が総合的に分析することで、精度の高いエビデンスができあがります。
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まとめ
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エビデンスは、誰が、どういう状況で、どういう人について調べて報告したのかなど、前提を確認することが大切です。
また、どんなに精度が高いエビデンスでも、100%そうなると断言できるものは多くはありません。
エビデンスをもとに、目の前のクライアントの反応をしっかり観察することが、我々には必要なのではないでしょうか。
*参考書籍
書籍:健康になる技術 大全
著者:林英恵
出版社:ダイヤモンド社
