「失敗の科学」を読んで学んだことをシェアしていきます。
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▷参考書籍
「失敗の科学」
著者:マシュー・サイド
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
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成功者の体験談・経験談が書籍化されたり、成功法則として出回ったりすることが多々あります。
成功法則と言われるものを真似しても、必ずしも成功するとはかぎりません。
必ずこれをすれば成功するというものはありませんが、これをすると必ず失敗をするというものがあります。
必ず失敗をするということを避けていくことで、成功へと近づいていけます。
この書籍では「航空業界」と「医療業界」を例にあげて解説をしています。
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航空業界
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1912年には、米陸軍パイロットの14人に八人が事故で命を落としていました。
2013年には、3640万機の民間機が30億人の乗客を乗せて空を飛んでいます。
死亡したのは210人のみ。
欧米で製造されたジェット機について、事故率はフライト100万回につき0.41回まで減少しています。
ここまで改善された理由として航空機にはすべて、ほぼ破砕不可能な「ブラックボックス」が2つ装備されています。
1つは飛行データを記録、もう1つはコクピット内の音声が録音されています。
事故がおきれば、このブラックボックスが回収され、データ分析によって原因が究明され、2度と同じ失敗がおこならないように速やかに対策がとられています。
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医療業界
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次は医療業界を見ていきましょう。
米国医学研究所は「人は誰でも間違える」と題した調査レポートを発表しました。
レポートによると、アメリカでは毎年4万4000〜9万8000人が、回避可能な医療過誤によって死亡しているとあります。
ハーバード大学のルシアン・リーブ教授が行った包括的調査では、アメリカ国内だけで、毎年100万人が医療過誤による健康被害を受け、12万人が死亡しているといっています。
さらに報告は続きます。
死に至らない深刻な医療事故(誤診、投薬ミス、手術中の外傷、輸血ミス、術後合併症など)も数多く報告されており、死亡者数の10倍にのぼるという試算もでています。
イギリスではさらに数が多くなります。
2005年英監査局は年間約3万4000人の患者がヒューマンエラー(人的ミス)によって死亡していると発表。
死亡以外のケースも加えると事故の数は97万4000件ともなります。
人の命を助ける側の医療業界で、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
本書の中では
・医療業界では多忙のため検証する時間がない
・医者がミスを犯すはずがないという思い込み
・看護師や医者のだれか1人が問題に気付いたとしても、意見を言える立場にない人であった
・ミスに気付いたとしても、処罰を恐れ報告をしない
など、様々な要因があげられていました。
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まとめ
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失敗をおかしてしまう理由として、本書の解説はどれも納得するものばかりでしたが、解決策としては「個人」の能力に頼らず「システム」を構築することです。
医療業界と航空業界を比較すると、失敗を検証・情報をシェアするシステムがあるのかないのかが大きな違いとなります。
トレーナー・セラピストの業界も、全体でシェアする仕組みはないのが現状です。
セミナーや書籍からの情報は、どちらかというとこうすれば上手くいく、といった成功した情報がほとんどです。
今後、Shape-lab Onlineでは私が実際に現場で失敗したお話も紹介していこうと思います。
コメント欄に、皆様の失敗も投稿していただけると嬉しいです。
ぜひ皆様で情報をシェアしていきましょう。
*Shape-lab Online内で得た失敗のお話は、Shape-lab Online以外への発信はお控えください。
