片脚立位のバランスは、歩行に求められる能力の1つとなります。
片脚立位のバランスが乱れる要因は多々ありますが、今回は要因の1つである視覚について整理していきます。
姿勢評価と分析セミナーで、中心視野と周辺視野はどちらが安定性が高いのか?という文献を交えて結果をお伝えいたしました。
姿勢評価と分析オンライン講座のテキストを抜粋すると
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*用語解説
・周辺視野:広範囲な空間情報が得られる視野。中心視野と比較すると解像度は下がる。筋の剛性は低くなる。
・中心視野:高解像な視覚像が得られる視野。周辺視野と比較すると視野は狭くなる。筋の剛性は高くなる。
周辺視野と中心視野、どちらが、立位姿勢時の姿勢動揺量が大きくなるのでしょうか?
実験によると、周辺視野と比較し中心視野の方が姿勢動揺量は、大きくなることがわかりました。
姿勢動揺量が大きくなるということは、安定させるために筋肉が過剰に働くことが予想されます。現代は、スマートフォンやテレビ、パソコンの普及により中心視野を用いる機会が増えています。
眼の使われ方が、姿勢や筋緊張に影響を与えることがわかります。
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このような結果から、片脚立位時にも周辺視野を用いることがバランスの安定性につながることが予想されます。
ここからが本題ですが、現場で指導しているクライアントの方で片脚立位のバランスが悪い方がいらっしゃいました。
文献の結果から、周辺視野を用いることバランスの安定につながると思っていたのですが、このクライアントの場合、中心視野を用いた方がバランスの安定性が高まりました。
*このクライアントの場合、バランスが悪いとは片脚で立っていることができない状態。(約10秒ほど)
考えられることとして、中心視野を用いることで筋の剛性が高まり、身体を支える筋力が発揮できたのではないか。
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まとめ
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中心視野を用いてバランスを取ることができた成功体験をもとに、バランスをとるコツを掴むことできたら、いずれ周辺視野を用いてバランスを取ることが求めれるかもしれません。
このように文献だけですべてを判断してしまうと、周辺視野のみでのアプローチになってしまったと思います。
文献も、あらゆる条件のもとで行われたわけではないので、すべてを鵜呑みにせず状況によっては逆のことを行わせる必要があると思います。
