前回は傷害が起こる理由として、動作の問題・組織の耐久性を上げました。
今回はもう少し詳しく見ていきます。
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組織の耐久性
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組織の耐久性は
①球種・シチュエーションによる耐久性
②球数に対する耐久性
③回復力
の3つに分けて考えます。
▷①球種・シチュエーションによる耐久性
○球種
投手はストレートと変化球を投げます。
ストレート・変化球それぞれの耐久性について把握する必要があります。
○シチュエーション
・ランナーがいる場面とランナーがいない場面。
・同点かもしくは負けている、または接戦の場面と、点差が開いて勝っている場面。
シチュエーションによって投手は力を入れたり抜いたりします。(意識・無意識)
球種・シチューエーションを確認する。
▷②球数に対する耐久性
○球数
1日に何球投げることができるのか?
投球数による耐久性を把握します。
さらに細かく見ていくと(①の耐久性を考慮します)
○球種を考慮した球数
同じ100球という球数でも
例:ストレートに耐久性があり変化球に耐久性が低い投手の場合
A ストレート80球、変化球20球
B ストレート20球、変化球80球
同じ100球でもA・Bでは疲労度が違います。
○シチュエーションを考慮した球数
さらに、ランナーがいる場面や点差などを考慮し、ストレスがかかる状況で何球投げたのかを確認する。
▷③ 回復力
前回登板してからどれくらいの期間を空けることで、次回の登板が100%の状態に回復するのかを確認する。
・70球までだったら6連投できる(日程的に現実的ではありませんが、甲子園のルールでは1週間に500球以内なので6連投しても420球となります)
・100球投げたら2日間は間隔を空けたい
どのくらいまで連投できるのか?どのくらい期間を空けるのか?確認する。
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動作の問題
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基本的な投球動作に問題はないか?
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球数が増えてきた時の投球動作に問題はないか?
↓
ストレートと変化球の投球動作に違いはないか?
(ストレートは問題ないが、変化球時に問題があるなど)
↓
ランナーがいる場面や接戦の時などストレスがかかっている際の投球動作に問題はないか?
どこで、動作の問題は起きるのか?を確認する。
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まとめ
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野球の投手における球数について見てきました。
高校球児の傷害を予防する観点から球数制限が開始されました。
連戦が続くなら球数制限は効果があるかも知れませんが、日程的に余裕があるならある程度球数を投げさせた方が強化することができるかもしれません。
過去と比較するルールができたことは前進したことになりますが、本当に球数を制限することが傷害予防になるのか?球数だけにフォーカスするのではなく、様々な角度から考察していく必要があります。
