現場で整形外科徒手検査を行うことありますが問題を特定できないことがあります。
整形外科徒手検査は行う意味はあるのでしょうか?
考察をしていきます。
整形外科徒手検査とは、主に筋骨格系機能障害における症状や、症状の部位、問題を特定する目的で行われる検査です。
問題を特定するためと同時に、考えられる問題を除外するためにも行われます。
*スペシャルテストと言われることもあります。
検査を行い陽性であれば症状を疑い、陰性となれば疑わないのが一般的な理解ですが、症状を100%正しく判別できる完全な検査はありません。
整形外科徒手検査を行うにあたり知っておいた方がよい用語と数値があります。
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感度・特異度の表現と意味
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整形外科徒手検査はそれぞれに、感度と特異度に分類し精度を数値で表すことできます。
○感度・特異度の表現
一般的に感度・特異度が0.5(50%)は不十分であり、0.7〜0.8(70〜80%)は十分、0.8〜0.9(80〜90%)優れている、0.9(90%)以上は非常に優れている、と分類します。
○感度
感度とは、簡単に言うと症状がある人もない人も陽性になりやすい検査です。
感度が高い検査で陽性となっても必ず陽性と特定するのは難しいが、陰性だった場合は陰性の可能性が高いと言えます。
○特異度
特異度とは、こちらも簡単に言うと症状がある人もない人も陰性になりやすい検査です。
特異度が高い検査で陰性となっても必ず陰性と特定するのは難しいが、陽性だった場合は陽性の可能性が高いと言えます。
感度・特異度がともに高ければ、でた検査結果の可能性が高い。
感度が高く特異度が低い場合は、陰性であれば症状を否定できますが、陽性であっても確定はできない。
感度が低く特異度が高い場合は、陽性であれば症状を特定できますが、陰性であっても症状を否定することはできません。
例:
検査:ニアーテスト
目的:肩峰下インピンジメント症状、腱板損傷の有無の特定。
評価精度:感度は高く特異度は不十分。陰性であれば否定できる可能性がありますが、陽性であっても確定することはできない
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まとめ
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整形外科徒手検査はそれぞれに感度・特異度が設定されています。
現場で行っている検査が、感度が高いのか?特異度が高いのか?精度を知ることでクライアントの問題特定に近づきます。
*参考書籍
書籍:整形外科徒手検査法
編集:松村将司
発行所:メジカルビュー社
